思い込みは小さいころから強かった。
漫画の主人公に憧れて、必殺技を身につけるべく
土砂降りの雨のなか、ひたすら屋根から溢れる雨に打たれつづけた。
いわゆる修行というやつだ。
もちろん、次の日高熱に倒れた私は親にバカ!と一括された。
いささか、かめ〇めなんとかはできないと悟った私が次に目をつけたのは
特撮ヒーローだ。
よく特撮アニメを見ては、私もなれるんじゃないか?
世界を救えるんじゃないかと、子供ながらに武装した服装で
悪と闘うために、外へと飛び出した。
この広い世界のどこかで、ヒーローが悪と闘っている。
私も参戦しなければ!
そんな強い衝動に常にかられていた。
時が経つにつれて、ヒーローはTVの中だけだと気がつき始める。
それでも私の心は強い拒絶を表した。
ヒーローはきっといる。
いつか私も闘う時が来る。
そんな幼少期を過ごした私は少し周りと違った少女に育ってしまった。
今でもサンタはいると信じているし、いい歳になっても特撮アニメは
やめられない。
ある程度に大人になれば、フィクション ノンフィクション を見分けられる。
だけど、自分の小さい頃の思いの強さを大人になっても
偽物と認めて上げることはできなかった。
女の子なのに、特撮アニメ好きの変わった思考の持ち主の私に
友達はそんなに多くはなかったし、一人でいることの方が幾分楽な時も
あった。
憧れのヒーローはみんな男の子なのに、現実私は女である。
そんな思いが体の成長を止めているのか、私はいつまでも
たっても少年のような体つきだ。
いつか現実を受け入れたとき、この体はまた少し成長するのだろうか?
そんな疑問符を自分につきつけながら、最近の私の流行りは
読書である。
5番目のサリー・24人のビリーミリガンとダニエルキイスの作品である。
多重人格。
多重人格者は主に人格が変わっている間の記憶がないらしい。
そんなことが書いてあった。
よくよく考えると私もたまに記憶があいまいな時があることに気がついた。
そこで私はある考えが頭をよぎった。
もしかしたら、私は多重人格者で記憶のない時は悪の組織と闘って
いるのでは??
そうやって、長年闘っているのでいつまでも心はヒーローの存在を
否定できないのではないか?
私は壊れそうな心をそのようにして、実は保っていたのではないだろうか?
このままではまずい。
悪の組織に対抗するべく準備を整えねば。
そう思うといてもたってもいられなくなり、ピンクのスクーターに
またがりゴーグルを装着して、相棒のスヌーピーを傍らに国道を今日も
飛ばす。
いつか出逢う本当に自分と悪の組織をさがして・・・
いけいけ、少年みなもちゃん。
ピンクのスクーターにまたがって。
アクセルあけて、ゴーゴーゴー!!
とっても楽しかったです(^ω^)!
返信削除また期待してますw