2012年8月20日月曜日

少年みなもちゃん、悪と対峙する

言わば、今の私は正義のヒーローなのだ!
たぶん・・・
もう一人の私が言うんだから間違いない。
そう自覚すると、不思議なことに私に助けを求める声が聞こえる!
いこうよ、みなもちゃん!!
そう傍らで、相棒のスヌーピーのスヌさんが言う。
来た!
これがいわゆるヒーローの証。
助けを呼ぶ声が聞こえる&物質の声が聞けるというやつだ。
とりあえず、3秒でしたくしな~!!
と自分で自分に言ってみる。
ゴーグルを壁から勢いよくとり、メットをかぶりピンクのスクーターにまたがる!
おっといけない、相棒を置いて行くところだった。
むんずとつかんで、リュックにスヌさんを投げ入れると、
扱いがひどいなぁ。とスヌさんがぼやく。
緊急事態よ!勘弁して!
そう早口でまくしたて、アクセルをあける。

最近の一連のニュースにBBQ中に子供が行方不明になるという
事件が多発している。
私は密かに悪の気配を感じ取った。
これはきっと、悪の組織が幼子を集めて洗脳しようとしているに
違いない。
とりあえず、助けを求める声がするほうへスクーターを走らせる。
あたりは森に包まれ奥へ奥へと私をいざなう。
ふと、看板を見上げるとニュー笠山キャンプ場この先3km。
私の嫌な予感は的中した。
やはり、キャンプ場。
イコールBBQだ!
私は悪に見つからないよう、少し手前にスクーターをとめ
身をすくめながら、キャンプ場へ潜入した。
見て、スヌさんあそこの男あやしくない?
あきらかに、家族の団体から離れて子供が一人と男が一人。
みなもちゃん怪しいね。
スヌさんと顔を見合わせ、うなずく。
もう一歩。もう一歩と男に近寄っていく。
そうすると、こともあろうことか男は無理やり子供を川の中に
入れようとしている。
怖いよ~怖いよ~と泣き叫ぶ子供。
これは私が助けねば!!
やい!キサマ!その子をどうするつもりだ!
勢いよく林から駆け出した!!
とりあえず、リュックの中から先日ヴィレッジバンガードで買っておいた
如意棒をとりだす。
その子を離せ!!
嫌がる子供を無理やりさらう気だな!
そう言って如意棒をかまえると、相手は私の存在に少し
ビックリしたのか、あっけにとられているようだ。
ここは、ヒーローのみせばだ。
とりあえず、大見得を切っておこう!
アイヤ~またれいっっ!!
北に南に、西東!
斉天 適わぬ3人の、特撮童子スヌーピー使い! 泣く子も黙る正義の味方
みなもさまたぁ~私のことだ!
かかってこい!!
伸びろにょいぼ~!!!
カチッ
カッッシャン!!
決まった!
そう心でつぶやき、相棒のスヌさんに同意を求める。
しかし、スヌさんはしかとだ。
スヌさんはなぜか人前では普通のぬいぐるみに戻ってしまう。
私と二人きりのときしかしゃべらないのだ。
このシャイボーイめ。
そんなわけで、ヒーロー参上である。

とりあえず、その子から離れなさい!
そう男に向かって叫ぶが男は私を無視して、おいでおいでと
子供をいざなっている。
どこに連れていく気だこの悪党!
もう一度叫ぶと男が言った。
どこって・・・そろそろ、お肉が焼けるんで家族の所に戻るんだけど・・・
君も、夏休みだからって浮かれていると川に流されるよ気をつけな。
私は今だ如意棒を相手に突き付けたまま、仁王立ちである。
そして、極めつけの一言。
ねぇ、パパ・・あのお兄ちゃん何してるの?
・・・パパ?
えっと・・・あのぉ~あなたわぁ、悪の組織の人でその子を
誘拐しようとしてるわけじゃ~ないですよね?
は?
と首をかしげる男・・・いやその子のパパ。

今日のパトロール終了!!!
と声高らかにあげ、その場を足早さる。
どうしたことか?
悪党レーダーの故障か?
そうつぶやくと、ようやくスヌさんがしゃべりだした。
みなもちゃん、ヒーローにも間違いはあるさ!
僕は何となく親子じゃないかって気がついていたけどね!
ね!ってそれならそうと、言ってくれてもいいじゃん。
スヌさんは人前だとすぐだんまりなんだから。
ごめん、ごめん、僕の声が聞こえるのはみなもちゃんだけだからね。
人前ではぬいぐるみのふりをしているのさ。
それでも、次はこそっと教えてよね。
そんなスヌさんに納得して、次の悪と戦うべくピンクのスクーターに
またがり、アクセルを開ける。
ぶう~ん!!
帰りにガソスタよってこ~♪
こうやって、少年みなもちゃんの一日は終わっていく。
GO!GOみなもちゃん!!
明日に向かって、アクセル全開!!

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